今学期のCIP活動は私の卒業論文の研究の一環として、「参与観察」という方法論を用い、京都・大阪地域のレズビアン・ゲイコミュニティーのイベントに参加し、同性愛者として日本での生活について調査することである。高校四年生のとき以来、日本に住む日系ブラジル人の状況を初めて聞いたことがきっかけとなり、移民・部落・LGBTの人などの日本の社会的マイノリティに深い興味を持っている。去年、東アジア研究学部の学生のための個別指導クラスを受け、マスコミが与える日本人による外国人犯罪に対する恐怖心への影響力についての期末レポートを書いた。そして、今年、KCJSの春学期に自分で決めるテーマに基づいて独学ができることおよび日本に住んでいる状況を機会として生かし、来年の卒業論文に先んじて、実地調査を行おうと決めた。日本に住むLGBTである人に関しての研究は非常に少なく、さらに大半の研究はゲイ男性に関するものが多いので、若い女性としてはこれまであまり研究されていない日本のレズビアンコミュニティーを調査し、学界に意味ある貢献をするチャンスだと思い、日本の女性同性愛者の性的同一性の形成というテーマを選んだ。

まず気付いたことは、アメリカと比べ、日本に家族・職場・友達、つまりLGBTコミュニティー以外の知り合いにカミングアウトする人は非常に少ないのである。日本人のレズビアンに「あなたはいつかカミングアウトするつもりですか?」と聞いたら、「いや、絶対カミングアウトしない」とよく言われる。それはなぜなら、日本でLGBTである人の存在がよく認められていないとともに、やはり社会的な期待、とくに家族からの結婚することに対するプレッシャーが原因で、カミングアウトするのはなかなか難しいことである。しかし、カミングアウトしていないからこそ、一般的な日本人には自分の周りにLGBTである人がいないように見えるなので、結果として「日本にLGBTである人は存在していない」という考え方や社会に定着している既成概念が疑われることなく、結局、先述したカミングアウトしていない状況の原因になる社会的な期待が続き、いわゆる悪循環が繰り返される。
アメリカのLGBTのように、比較的にオープンに暮らせるが、同時によく憎悪犯罪の犠牲となるという両極端な状況より、日本に隠れているLGBTである人に対しての暴力事件の発生率が低いということを考えれば、日本の現在状況の方が安全に見えるかもしれないけど、自分のアイデンティティーの大事な一部を愛する人から隠すのはたしかにつらいと思う。今までの調査結果では、アメリカと日本との状況の格差が明らかに見えるのが一番面白い。調査を続け、色々な新しい経験をし、これから日本に住むLGBTコミュニティーについてもっと学ぶことを楽しみにしている。

